結論-
耐糖能異常のスクリーニングは通常妊娠24~28週で実施される. しかし、妊娠第3期の血糖コントロールが良好であるにもかかわらず、統計的に有意な数のGDMの母親が大きな赤ちゃんを産んでいる(3)。 これは、母体の高血糖が妊娠初期の胎児の成長に影響を与えるためである(7,8)。 妊娠初期のβ細胞塊のプライミングは、母親が妊娠後期に良好な代謝コントロールを享受していても、妊娠期間を通じて胎児の高インスリン血症が持続し、成長が加速するリスクを説明できるかもしれない(9)
本研究において、耐糖能正常の女性の平均A1Cは5.3%であった。 Radder and Van Roosmalen (10) は、健康な妊婦のA1C値は5〜6%の間で変動していると記録している。 我々の研究から、異なる妊娠期間中の診断時のGDM女性の平均A1C値は6%(6.04±0.81)であることが確認された。 妊娠初期に耐糖能異常と診断された女性を、OGTTとA1C値を考慮して分析し、プレGDM、GDM、正常耐糖能に分類した。
グループ1では、第1期にGDMと診断された女性もA1C 6%以上であった。 彼らでは耐糖能異常は妊娠初期に発見され、GDM予備軍か妊娠前から2型糖尿病であったが妊娠中に発見された可能性が高い。 グループ2の女性はOGTTによりGDMと診断されたが、A1C値は<9193>6%であった。 これらの女性では、耐糖能異常は妊娠初期に発現したであろうが、高血糖にさらされた期間はA1C値の変化に影響を与えるほど長くはなかった。 したがって、これらの女性は、妊娠誘発性耐糖能異常(GDM)であると考えられた。 第3群の女性は、OGTTは正常であったが、A1C≧6%であった。 歴史的には、彼女たちは、妊娠初期に一部の女性に起こる、妊娠に起因する栄養補給の障害を持っていた。 このため、おそらくOGTTは正常であったろう。 彼らは不吉なグループで、GDM予備軍である可能性が高く、その後のトリメスターでOGTTを繰り返す必要がある。 追跡調査の結果、耐糖能が正常であった第3群の女性全員が、その後の妊娠期間中にGDMを発症したことがわかった。 第4群では、2時間血糖値が<140 mg/dl、A1Cも<6%の女性が159名(61.9%)存在した。 そのうち、A1Cが<6%でも≧5.3%だったのは78人だった。 2時間血糖値が<140 mg/dlでA1Cが<6%だが>5.3%の女性78人のうち、16人(20.5%)がその後の診察でGDMを発症していた。 このサブグループの女性の2時間血糖値を分析したところ、23人(29.5%)が120〜140mg/dlの間に値が散らばっていた(図1)。 このサブグループは、de Seredayら(11)の意見と同様に特別な注意を要する:119mg/dlのカットオフポイントを用いた2時間75g OGTT値は、マクロソミー予測においてその感度と特異性の両方を最大化するだろう。 Sermerら(12)は、明らかなGDMのない女性における炭水化物不耐性の増加は、マクロソミー発生率の段階的上昇と関連していると述べている。 我々の集団でも、2時間血糖値が120 mg/dlから上昇するにつれて、マクロソミー発生率が連続的に上昇することが観察された(3)。
妊娠前半にGDMと診断された女性は、GDM集団の中で高リスクのサブグループであり、産科的合併症、その後の妊娠でのGDM再発、将来の2型糖尿病発症の発生率が高い(5)。 したがって、妊娠初期のGDM女性は、早期の代謝コントロールが有効であると考えられる。 GDMの女性では、A1C値は6%であった。 これらの値は、妊娠中のプレGDM、GDM、正常耐糖能の区別に役立つと思われる。 OGTTが正常でもA1Cが6%未満の妊婦や、A1Cが5.3~6%の妊婦は、細心の注意が必要である
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