概要
アシル・コエンザイム・アクスホレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT)は、様々な組織に存在する細胞内酵素である。 細胞内のコレステロールのホメオスタシス、VLDLやカイロミクロンに含まれるコレステロールエステルの生成、動脈硬化における泡沫細胞形成の原因として重要な役割を担っている。 哺乳類では、2つのACAT遺伝子が同定されている。 1993年にACAT-1遺伝子、1998年にACAT-2遺伝子が同定された。 ACAT-1タンパク質とACAT-2に対する特異的な抗体も利用できるようになった。 この論文では、ACAT-1タンパク質とACAT-2に対する特異的な抗体が利用できるようになった。 (1) ヒトHepG2細胞におけるACAT-1タンパク質のステロールによる制御様式、(2) ヒト動脈硬化病巣および培養ヒト単球マクロファージにおけるACAT-1タンパク質の発現パターン、(3) ヒト組織におけるACAT-1タンパク質の分布。その結果、肝、副腎、腎、マクロファージなどの様々な成人組織でACAT-1タンパク質が主要触媒として機能しているが腸には存在しないことが示唆された。 ヒト腸に見られるACAT活性のほとんどは、おそらくACAT-2の存在によるものである;(4)ヒト腸ライブラリからクローニングしたヒトACAT-2の完全長cDNA配列;(5)組み換えヒトACAT-1タンパク質を酵素活性保持のまま電気泳動均一まで精製する手順;(5)純粋ヒトACAT-1タンパク質の動力学特性;我々の結果は、ACAT-1はコレステロールによって制御されるアロステリック酵素という仮説を支持するものであった。 また、肝細胞においては、ACAT-1のアロステリックな性質により、デノボで合成されたコレステロールを利用して、VLDLを組み立てるためのコレステリルエステルを生成することができると提唱している
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