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大腿ヘルニア、高齢者
86 歳女性、農家が畑作業中に突然左下腹部違和感を伴う左大腿部と左膝パンを発症し来院されました。 激しい痛みのため左足を動かすことができなかった。 2ヶ月前に腹部不快感を伴わない同様の左大腿部および膝関節痛が短時間で繰り返し出現することに気づいた。 主治医に相談し、NSAIDsによる治療を受けた。 今回、痛みが長く続き、腹部不快感も合併していた。 身体所見では左下腹部の圧痛はあるが、腹部は軟らかく硬直はなく、腸音も正常であった。 大腿・膝関節痛は強く,左脚の伸展・外転で悪化した. プレーンCTでは小腸が左腸管に遊走し(図1)、腸管ヘルニアを呈していた(図2)。 腹膜炎やイレウスは認めなかった。 その後、症状およびヘルニアは自然消退した。 再発防止のため、外科的に腸骨洞の補強を行った。 その後、繰り返す左大腿部の痛みは消失した。 骨盤内プレーンCT 。 矢印は左腸管にある小腸を示す。 骨盤部プレーンCT. 小腸は左腸管の外にある。
大腰筋ヘルニアはまれであるが、大腰筋管の保護脂肪組織の消失により痩せた高齢女性に見られる。 ヘルニア嚢が大腿神経を刺激し、大腿内側や膝への放散痛(Howship-Romberg徴候)を引き起こす。 大腿部の痛みは、伸展や外転によって増悪することがある。 一過性のヘルニアが繰り返され、最終的には絞扼感を合併するケースが多い。 通常、腹痛と大腿部痛の両方を自覚するが、本症例のように大腿部のみ繰り返す場合もある。
Conflicts of interest
The authors declare that competing interests.
Author contributions
YT and YI helped the clinical data, and contribiquates in the manuscript.著者らは臨床データ取得に協力し、原稿の講評に貢献した。 また、この原稿は著者全員が読み、承認したものである。 慶応義塾大学医学部 51: 129-132.