Purpose: 最近,ヒト眼において活性な局所レニンアンジオテンシン系(RAS)が発見された. 本研究の目的は、形態的・生理的にヒト眼球に近いブタ眼球組織における中枢性RAS酵素(ACE1、2)の活性を比較検討することであった。 また、これらの酵素に対する3種のACE阻害剤トリペプチドの効果を評価した。
Methods: ブタの新鮮な眼球を核出しにしたものを使用した。 硝子体、網膜、毛様体において、ACE1、ACE2の活性と生理活性トリペプチド(Ile-Pro-Pro、Val-Pro-Pro、Leu-Pro-Pro)、および標準ACE阻害剤カプトプリルの阻害を蛍光検出法を用いて測定した。
結論 網膜のACE2活性に加え、毛様体、硝子体におけるACE2活性を初めて明らかにしたものである。 ACE2製剤がACE1製剤に比べて有利であることは、眼循環および眼圧の生理的調節におけるこれら2つの酵素の相反する相互作用を示唆し、緑内障や糖尿病網膜症などの特定の眼科疾患において保護的役割を果たす可能性がある。