まとめ
ショ糖密度勾配超遠心法は、DNA、RNA、タンパク質などの高分子の分画に有効な手法である。 この目的のために、異なるサイズの高分子の混合物を含むサンプルは、密度が上から下へ直線的に増加する勾配の表面上に重ねられる。 遠心分離の際、異なるサイズの高分子は異なる速度で勾配を通過して沈降する。 沈降速度は遠心力のほか、高分子の大きさ、形状、密度、勾配の密度、粘性に依存する。 このようにして、高分子は大きさによって分離され、大きいものは底部に沈降し、軽いものは勾配の上部近くにとどまる。 この方法は、特に大きなDNA分子のサイズ分画に成功し、クラスト形成因子にさらされた後のDNA切断の誘導と修復の測定に広く用いられてきた。 ここでは、この方法をDNA複製中に形成される新規合成DNAの分析に使用できるように適応した方法を説明する。 アルカリ性ショ糖勾配における新生DNAのサイズ分析を通じて、細胞をDNA損傷因子に暴露した後の複製活性の変化を測定することができる。 この方法は、DNA損傷による鎖伸長への影響とレプリコン開始への影響を区別できるため、特に有用であり、S期内チェックポイントの詳細な分析に不可欠である。 この能力は、この手法のユニークさを際立たせ、多少手間がかかるという性質を正当化している。