Background: マイノリティが質の低い環境でケアを受けることにより格差が生じることがある。 患者中心の医療施設(patient-centered medical home:PCMH)は格差をなくすことができる質の高いプライマリケアのモデルとして認識されている。 しかし、ラテンアメリカ人はPCMHを持つ割合が低い。
目的 PCMHを持つラテン系サブグループのバリエーション、格差への影響、PCMHを持つラテン系に関連する因子を明らかにすること。
デザイン。 2005年のMEPS Household Component(ラテンアメリカの成人をオーバーサンプルとする全国代表調査)の分析。 総サンプル数は24,000人で,うち6,200人がラテン系成人である。
測定法。 PCMHの定義は,定期的な医療提供者がいて,トータルケアを提供し,患者のケアへの関与を促し,ケアへのアクセスを容易にしていることであった。 予防医療(コレステロール検査、血圧検査、マンモグラフィー、前立腺特異抗原検査)の自己報告と患者体験を調査した。
結果 白人(57.1%)とプエルトリコ人(59.3%)の成人が最もPCMHの可能性が高く、メキシコ/メキシカンアメリカ人(35.4%)と中南米人(34.2%)は最も低いことが示された。 この格差の多くは、正規の医療機関にアクセスできないことに起因している。 PCMHを導入している回答者は、予防医療を受ける割合が高く、患者の体験もポジティブであった。 ケアにおける格差は、PCMH を持つラテン系住民では解消または縮小された。 回帰モデルでは、ラテン系住民に少ない民間保険が、PCMHを持つことの重要な予測因子であることが示された。
結論 医療格差をなくすには、PCMHへのアクセスを保証することが必要である。 ラテンアメリカ人のPCMHへのアクセス率低下の原因となっている医療保険の違いに対処することも、格差を縮小することになるであろう。