Background and purpose: 本研究は、妊娠中および出産後の腹筋構造適応と機能能力について調べることを目的としたものである。
対象者 28歳から33歳の妊娠初期の被験者6名を対象に、妊娠14週から出産後8週まで9回の試験を実施した。
Methods: 各テストセッションにおいて、腹部皮膚マーカーの3次元撮影を行い、代表的な腹筋である腹直筋の総形態を把握した。 腹筋群の機能的能力は、抵抗に対して骨盤を安定させる筋群の能力で評価した。
結果 妊娠の進行に伴い、腹直筋の分離幅、長さ、挿入角度に増加が認められた。 産後4週までに腹直筋の離開の反転が認められた。 抵抗に対して骨盤を安定させる能力は、妊娠の進行とともに低下し、産後も低下したままであることが示された。 腹筋の機能低下は、妊娠の進行に伴う構造的適応と時間的に並行していた。 出産後の構造的適応の不完全な解消と並行して、機能的欠陥が継続することが明らかになった。
結論と考察 腹筋の機能は妊娠中に起こる構造的適応の影響を受ける。 我々の結果は、抵抗に対して骨盤を安定させる能力が妊娠中および産後少なくとも8週間は低下することを示したため、腹筋運動は慎重に選択する必要がある。 [Gilleard WL, Brown JMM. 妊娠中および出産直後の初産婦の腹筋の構造と機能。